なつめと金針菜の薬膳スープ

薬膳や漢方のベースとなっている中国伝統医学では、人の体は「気」「血」「水」のバランスによって構成されていると考えられています。シンプルに言えば、この3つのバランスさえ取れていれば病気にはならないとされています。そして、中でも「気」というのは、人体を構成する最も基本的なエネルギーとされ最も重要なものです。「元気があれば何でもできる」とは有名な言葉ですが、もともとは「元気=原気・真気」と呼ばれており生命の原動力であるとされています。
私たちは家族のことはもちろん、仕事や人間関係などいろいろな関係性がある中で、無意識に「気」を使って生活しています。気を遣う、気怠い、やる気が出ない、気持ちの切り替え、空気を読む、など「気」を使った言葉が無数にあるように、その実体が見えないがゆえに意識はしませんが、あらゆる生活シーンで気を使って生きています。
では、よくある「やる気がでない」だとか「前向きな気持ちになれない」といったことはどうして起こるのでしょうか。これは単純な理由ではなく、一人ひとりの生活環境や人間関係なども含めて考える必要があるのでここでは言及しませんが、薬膳学では、「気の消耗によるバランス乱れ」というのがその理由です。気持ちがないと食べる気もなくなる、食べても消化が良くない、そもそも食べるものが偏ってしまうなど、気を乱すことで様々な悪影響がでるのは実体験としてある人は多いのではないでしょうか。
薬膳とは、季節やその人の体の症状に合わせて、目的をはっきりさせて摂る食事のことです。したがって「やる気がでない」ということ対しては、「失った気を補う、増やす」ことを目的とした食事を摂ることが大切になります。
今回ご提案するのは「なつめと金針菜の薬膳スープ」です。なつめは【補気(ほき)】といって、気力・エネルギーを補うことに大変優れた食材です。生薬名では【大棗】と言い、これまた補気のための良薬です。昔はなつめをとって採って食べてたなんて人も多いのではないでしょうか。ノース白山の近くでもなつめの木があります。田舎に行けば普通すぎてあまり気にもしないほどの木ですが、実は優秀な植物であります。そして金針菜。「きんしんさい」と読みます。これは、ユリ科の萱草の蕾を乾燥させたもので、補血【ほけつ】といって血液を補ってくれる優れた食材です。古代中国人は長い遠征に行く際には、この金針菜を常備していたと言います。
気というエネルギーを補い、血液を補えば、体がそれに前向きに応えてくれるでしょう。そして、それを続ければ、必ず体のバランスを保つ歯車噛み合ってきます。心の充実とは、その先にある結果です。やる気が出ないことを気持ちだけの問題とせず、むしろ体のバランスの問題と捉え、目的をもった食事=薬膳で改善していくことも一つの選択肢でしょう。
私たちノース白山は、なつめと金針菜を創作薬膳の主力食材と位置づけています。昨年からはなつめの木を育て、植物としてのなつめの研究も始めました。実がなるのは先の話ですが、どういう成長サイクルをして育つかについてレポートもしたいと思います。また、来月には金針菜の元となる藪萱草の苗を入手予定です。耐暑性・耐寒性もある植物なので、強い苗に育て、オリジナル金針菜もつくれるように体制を整えます。

おすすめ記事

  1. 糀甘酒スコーン
  2. 朝食に「おいしいパン」を。
  3. 白身魚にはコレ!
  4. 発酵の底力を信じ切る。
  5. 雪中のティーツリー
  6. へしこマスカルポーネ
  7. 山ヨモギのシフォンケーキ

関連記事

  1. 北陸の白身魚には糀ドレッシング!
  2. 「胃腸の湯」で作る豆乳
  3. 食べる胃腸の薬 ルバーブ
  4. へしこマスカルポーネ
  5. 気巡りを良くする春菊(菊菜)
  6. 自家栽培の有機たまねぎ
  7. 消化不良の良薬 山査子(サンザシ)
  8. 糀甘酒スコーン

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP